かつて“デフレの申し子”と呼ばれあった日本マクドナルドと吉野家の販売の明暗が大きく分かれている。
9日に両社が発表した2月の既存店売上高はマックが前年同月比9・1%増と2カ月連続で上回る一方、吉野家は同17・2%減と12カ月連続で前年実績を割り込んだ。2~3週間刻みで、次から次へと発売する新商品で客を飽きさせないマックに対し、一時しのぎの値下げなどで、値下げ後の食い飽きなどを招いた吉野家の戦術の巧拙が結果を左右している。
日本マクドナルドホールディングスが9日発表した2月の既存店売上高(速報)は、前年同月比9・1%増となり、2カ月連続で前年実績を上回った。期間限定で売り出したボリューム満点で価格も高いハンバーガー「ビッグアメリカ」シリーズの販売が好調で、顧客一人あたりの使う単価が5・7%増と、昨年7月以来7カ月ぶりのプラスに転じたことが貢献した。
ビッグアメリカは、今年1月から定期的に実施しているキャンペーン。使用している肉量は通常の2・5倍で、価格は400~420円と高額だが、積極的な店頭での販促活動が「ガッツリ食べたい」というニーズをとらえ一部店舗で売り切れが出るなどのヒットを記録している。
集客力も抜群で2月の客数も3・2%増と7カ月連続のプラスとなった。新店を含む全店売上高は10・2%増と2カ月連続で2ケタのプラスを記録した。
独り勝ちのマックも、消費者の節約志向に伴う“外食デフレ”の影響から、昨年8月から6カ月連続で客単価が前年を割り込むなど苦戦したが、ビッグアメリカ効果で見事脱却した。
一方、吉野家ホールディングスが9日発表した2月の既存店売上高は前年同月比17・2%減となり、12カ月連続で前年実績を割り込んだ。2月は季節限定メニュー「牛なべ定食」(500円)を導入するなど販売のてこ入れを目指したが、マックに客足を奪われたのが影響した。
吉野家の客数は18・5%減と12カ月連続でマイナスになるなど、マックとは対照的に、反転攻勢に向けた、抜本的な打開策を打ち出せずにいる。