7日発売のスウェーデンの出版専門誌「スベンスク・ブークハンデル」で、ノーベル文学賞の選考母体のスウェーデン・アカデミーのエングダール事務局長(59)が、選考の知られざる内幕を大胆に語って話題になっている。【佐藤由紀】
フィリップ・ロスから村上春樹まで、ノーベル文学賞の予測記事が毎年メディアをにぎわせるが、どの予測も決め手を欠く。というのも厳重なかん口令が敷かれているためだ。それでは、いかにして秘密を守るか。
事務局長によると、メールのやり取りは厳禁。公の場で候補者の本を読むことは避け、どうしてもということならニセのカバーをかける。本を買う場合は秘密のルートに頼り、どんな本を買ったかは厳重に伏せる。
また、いつ何時、会話を聞かれるかわからないので、候補者は名前に似通った発音のコードネームで呼びあう。たとえば、05年受賞の英国の劇作家、ハロルド・ピンターは「ハリー・ポッター」、06年のトルコの作家、オルファン・パムクは「オーペー」(スカンジナビア地方の酒の銘柄の一つ)、昨年の英国の作家、ドリス・レッシングは「リトル・ドリット」だった。
英国のかけ会社「ラドブロークス」の文学賞予想にも目を通し、「ほとんど的外れ」だと安堵(あんど)するという。ただ、05年の発表前に有力候補のピンターが突然、浮上し「秘密が漏れたのでは」とあわてたらしい。
同事務局長は先月、AP通信のインタビューで、欧州こそが世界文学の中心で米文学は孤立主義的で内向きだと批判、大西洋をはさむ文学論争を巻き起こしたばかりだ。文学賞は9日午後8時(日本時間)に発表される。
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