経営危機に陥っている日本航空の再建をめぐり、前原誠司国土交通相は29日、日航に融資するメガバンク3行の頭取と東京都内のホテルで会談した。前原国交相は債権放棄を軸にした私的整理による再建を念頭に日航に対する万全の金融支援を要請したが、一部のメガバンクは会社更生法の適用など法的整理に理解を示し、意見は一致しなかった。日航が支援要請している企業再生支援機構を所管する内閣府や財務省には法的整理の活用を求める声が強く、年明けにかけて、法的整理含みで関係者の調整が本格化する見通しだ。
会談には、前原国交相のほか、みずほコーポレート銀行の佐藤康博頭取、三菱東京UFJ銀行の永易克典頭取、三井住友銀行の奥正之頭取らが出席した。
出席者によると、法的整理、私的整理それぞれのメリット、デメリットなどを確認した上で、前原国交相が「飛行機が飛ばなくなるようなことがあってはいけない」と、なるべく法的整理を避ける意向を示したという。メガバンク側からは「法的整理になれば、倒産イメージが広がり利用者離れが進みかねない」との意見が出る一方、法的整理を容認する声もあったという。メガバンクの一部は全日本空輸にも融資しており、日航に肩入れしすぎることへの懸念からとみられる。
また、前原国交相はメガバンクに対し、支援機構が日航を支援する場合、支援機構が保証する融資に応じることも求めた模様だ。機構は来年1月中旬にも支援を決める見通し。
政府内では「日航への金融支援などは何度も試みたが、経営改善につながっていない。再建手続きの透明性を確保するためにも法的整理しかない」(内閣府関係者)などの声が高まっている。法的整理になれば、日航の巨額債務が大幅に圧縮され、再建の確実性も高まるため、支援機構は法的整理を組み合わせる案を軸に検討している。【大場伸也、小倉祥徳】
【ことば】法的整理と私的整理
法的整理は、不振企業が会社更生法や民事再生法の適用を申請し、裁判所の管理下で再建を図る手法。債務が大幅に削減され、再建を進めやすくなるが、倒産の印象が強まり、顧客離れを招きかねない。私的整理は、裁判所を介さずに企業と金融機関などが話し合いで債権放棄などを決める。一定のブランドイメージが保てる半面、債務削減が徹底しない恐れもある。
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